私は、3年間施設警備員として働いていたことがあります。
今回は大卒で警備員として働いている人はあまりいないという事実について、触れていきたいと思います。
新卒の7割は3年以内に辞めます
私は中途採用で3年間警備員をやっていましたが、新卒の方達は1年くらい続けて辞めるというパターンが一番多かったです。
その理由としては、流石に1年くらいは続けないと転職活動に影響が出るという考えからでしょう。
ぶっちゃけ、私は2回転職経験がありますが、若いうちであれば早期に退職しても割とすぐに次の仕事を見つけることが出来ます。
転職は年齢が高くなると厳しくなるのは事実なので、若いうちから自分に合わない仕事に見切りをつけるのは賢明な行為です。
辞める理由は他の業界の方が良く見えるから
私は3年間のうちに何人もの退職者を見てきました。新卒者だけでなく、40代くらいでも嫌になって辞める人がいるくらいです。
辞める理由は人それぞれですが、一番多いのは警備員の仕事に対するギャップでしょう。かなりの割合で、楽そうだと思って入ってきます。
ですが仕事に関しては楽というよりは、暇という方が適切です。
普段はものすごく暇ですが、何か事案が起こると、とても忙しくなります。
不審者が出たり、一般客に絡まれたりはよくあることです。
仕事が忙しいということはほとんどないのですが、警備員は相手がクレーマーだろうが何であろうが、割って入って話を聞かなければなりません。
感謝されることもありますが、基本的には全く感謝されることはないです。
体感でいうと感謝されるのは全体の1割くらいです。
入社したばかりの方は、1年くらいでこの事実に何となく気付くのだと思います。
誰にも感謝されないのに、したくもないクレーマーの相手なんてしたくないですよね。ましてや警備員が相手に逆切れしてしまっては、それこそ今の時代炎上してしまいます。
ある種、時代に逆行したとても古典的な職種のため、警備業界よりも良く見えてしまう業界は無数にあるという状態です。
大卒に関わらず離職率は高めです
新卒の方達は大卒の方が少し多めですが、高卒で入ってくる方達もいます。
体感ですが、大卒者の方が見切りをつけるのが早い印象です。
絶対数が多いというのもあるかもしれませんが、入社2年目くらいには続々と転職していきます。
ここからは私の主観になりますが、大学って滅茶苦茶自由です。私は大卒ですが、色々な人がいました。授業には出ないのにサークルには出て来る人とか、真面目に授業に出席する人達もいます。
高校までは割と義務教育感がまだ残る感覚ですが、大学になると、完全に個人の責任という感じになります。
そういった自由な環境で学んできた人達にとって、警備員という職業は、適応しろという方が難しいでしょう。
大卒者に関わらず離職率が高めの警備業界ですが、学歴が高い人ほど、警備員という職業の理不尽さに耐えられないのだと思います。事実私も耐えきれなくて辞めてしまいました(笑)。
大卒から見た警備員
大卒者から見ると警備員は魅力的なのでしょうか?
私の場合、新卒で入った会社でメンタルをやられて、楽な仕事がしたいと思って警備員になりました。
どちらかというと、警備員になろうというよりは、「少し疲れたな・・・警備員になって楽しよう」と、考えて入ってくるのだと思います。
ネガティブなイメージが強すぎる
またネガティブイメージが強すぎるのも、大卒者のみならず、警備業界に人が集まらない最大の理由だと思います。
警備員になったことのない人で、警備員に良いイメージを持っている人は、ほとんどいないでしょう。
しかしそれと同じくらいに、現役の警備員でさえも、自分たちの仕事に良いイメージを持っていないのです。
上記は私の主観と思われるかもしれませんが、割と事実だと思っています。
というのも、普通の仕事であれば一仕事終えると、「よし、終わった!」という達成感があるでしょう。
ですが、警備員の仕事で達成感を得られることはほとんどありません。達成感というか、1日の勤務が終わった後に、「あーやっと帰れる」という感覚があるくらいです。
警備員の仕事はとてもハードなのですが、内容の割に達成感が皆無なのです。
何の充実感もないままひたすら勤務をこなすそんな日々なのです。
警備員の仕事内容に興味のある方は、下記を参考にしてください。
警備業界の今後の課題
警備業界のこれからの課題として、ネガティブイメージの払拭が一番の急務でしょう。
正直日本の人口は減るばかりなので、不人気業界は人の確保にはこれまで以上に厳しくなります。
「警備員ってあまり良いイメージがないなぁ・・・」と思われるよりも、「警備員がいる!ここは安全だな!」と思われるくらいのイメージを持たせないと、実際に働いている警備員のモチベーションは下がるばかりです。
誇りだけで飯は食えませんが、誇りが無ければ仕事なんてやってられません。
少しでも警備業界の良いところを作って、イメージを好転出来るかが一番の課題と言えるでしょう。