どうも、きゃわ@icosoyamaです。私は過去に2年間ほどエンジニアとして働いていたことがあります。そして、半年間くらいはSES企業で働いていました。
ぶっちゃけSESと聞くとあまり良いイメージを持っている人は少ないのではないでしょうか。過去に「SESバックレようとしたら失敗したんですけど【契約期間とか知らん】」や「SES企業の経歴詐称なんて当たり前やで【就活より酷い】」、「SESでなかなか辞められないなら退職代行を使うのもありです」なんかで書いていますが、実際にSESとして働いていた私からすると、好き好んでSESに行くのは絶対にやめた方が良いかなと思うのです。
やめた方が良い理由については、これから深堀していこうと思います。
SESをおすすめできない理由は現場によって難易度が違いすぎるから
SESをおすすめできない理由は見出しの通りでして、少し深堀すると、明らかに現場によって仕事に差があるんですよね。
私は半年間SES企業で働いていましたが、私がSESで入った現場は通信系のシステム保守の現場で私1人だけでした。ですが、私の同期はHPの改修の現場で先輩含め計3人で現場に入ったそうなのです。
同期からの話を聞く限り、めちゃくちゃ私の現場と差があったんですよね。具体的には下記の通りです。
- 残業の多さ
- 仕事量の違い
- 相談できる環境
まず私の現場の場合、MAXで80時間近く残業がありました。原因は仕事量が多い割に、プロジェクトの人員を確保できていなかったからです。また、私の場合自社の人間が私1人だけだったので、めちゃくちゃ心細かったです。気軽に相談できる人が周りに居ないので、基本的に自分で問題を解決しなければなりません。
一方同期の現場はまず、めちゃくちゃ暇らしいんですよね。1日何も仕事がない日もあるそうで、残業なんてしたことがないと言っていました。また、先輩と一緒に現場に入っているので、分からないところは聞きながらできるらしいのです。
ぶっちゃけどの会社に入っても現場に当たりはずれはあると思いますが、SESの場合、客先で仕事をするのであまりにも環境が酷いと、仕事をするどころの環境では無くなってしまうんですよね。
楽な現場に入れればラッキーですが、きつい現場は地獄です
「仕事なんだからつらいのが当たり前じゃね?」と思う人もいるかもですが、コミュニケーションが得意ではない人が1人で客先の現場に入ると、正直めちゃくちゃきついです。私の場合仕事がつらいというより、誰にも気軽に相談できないし、めちゃくちゃ理不尽な環境だなと思っていました。
だってそうじゃないですかね。SESでは片方は1人現場でめちゃくちゃつらい思いをしているのに対し、片方は先輩や同期と暇を持て余しながら仕事をしているのです。どう考えても後者の方が楽ですし、仕事をする環境的にも良いですよね。
SES企業では未経験の採用を行っているところもありますが、個人的にはおすすめできません。未経験でSESをやろうと思っている人は、おそらく色々な現場で経験を積もうと考えているのだと思いますが、酷い現場に当たってしまうと、初手から躓いてしまうんですよね。
未経験からエンジニアになるのであれば、とにかく現場にエンジニアを派遣してお金儲けをしようなどと考えている企業は絶対に避けるべきなのです。
自分のスキルに合っていない現場だと100%詰みます
ある程度経験のあるエンジニアにも言えることですが、特に未経験のエンジニアの場合、あまりにも自分のスキル以上のことを求められる現場に入ってしまうと、100%詰むんですよね。
私はSESとして働いていたのは半年間だけですが、以前に書いた「SES企業の経歴詐称なんて当たり前やで【就活より酷い】」の通り、おそらくほとんどのSES企業が少なからず経歴を盛っているのではないかと思います。
例えば就職活動で海外旅行くらいしか行ったことがないのに、短期留学していましたと見栄を張る学生がいたとしても、ぶっちゃけ企業側からすると短期留学は行動力があるという点ではプラスの評価かもしれませんが、「短期留学していた=語学が堪能」という短絡的な思考にはならないと思うのです。
もう少し詳しく説明すると、短期留学していたという行動力は評価するが、実際に語学が堪能かどうかは、例えばTOEICの点数が900点だとかそういった客観性のあるもので測られるということです。
上記がどうSESの経歴詐称に結びつくのかというと、SES企業がエンジニアに書かせる経歴書は、客観的に見てもスキルがあるかのように見せてしまっているのが問題なのです。
例えばたった3日間研修をしただけで、あたかもこういったプログラミング言語やOSを扱えますよと、ばっちり経歴書に書いてしまっているのです。
ぶっちゃけ派遣先の企業からしたら経歴書を信じるしかないのでエンジニアを引き入れる訳ですが、客先の現場のレベルと派遣されたエンジニアとの間で、スキルに関して齟齬が生まれることがあるのです。
例えばJavaでゴリゴリ開発しているような現場に、Javaができるという風に経歴書に書いたエンジニアが新しく参画してきたとします。ですが実際は2週間くらいJavaの研修を自社で受けただけで全くの未経験同然だった場合、客先の現場とエンジニアとの間で齟齬が発生するのです。
上記は少し極端な例かもですが、実際に起こり得る可能性はあります。
SESは仕組みに問題があります
客先の現場とエンジニアの間でスキルの齟齬が発生するのは、エンジニアが悪い訳ではなく、派遣元のSES企業がちゃんとした案件を紹介できないことが問題なのです。
要は未経験エンジニアに紹介できる案件が無いのに、未経験のエンジニアの採用を行っている企業には注意が必要です。心配ならば採用面接の時に、未経験のエンジニアにはどのような案件を紹介しているのか質問してしまうのも手です。
また、SESには仕組み的な問題がもう1つありまして、通常派遣社員の場合は派遣先の上司の指示に従うようになっていますが、SESの場合は派遣元つまり自社に指揮権があるのです。
どういうことかというと、普通の派遣社員であれば派遣先の上司の指示に従って仕事をすれば良いのですが、SESの場合は派遣元(自社)に指揮権があるので、派遣先の人達には指揮権が無いんですよね。
私はこの記事で1人でSESの現場に入っていたと言いましたが、これって本当はNGですよね。なぜかというと、指示してくれる私と同じ自社の人間が居ないからです。
なのでぶっちゃけSESは結構グレーゾーンみたいなところがあるのも事実です。
不足した人材をSESで補充するのは、ぶっちゃけ派遣と変わらない件
ぶっちゃけSESって人員が不足しているプロジェクトにエンジニアを派遣しているだけなので、ほとんど派遣と変わりません。
違いがあるとしたらおそらく指揮権が派遣元にあるか派遣先にあるかですが、これもぶっちゃけかなり微妙なんですよね。上記についてもこれから解説してきますね。
現場の指揮権は自社にあるが実質客先にあるといっても過言ではない件
現場の指揮権の所在の違いが派遣とSESの唯一の違いと言いましたが、基本的な考えとして派遣先の会社と派遣元の会社で指揮系統が2つあったら現場が混乱してしまいますよね。理由はそれだけではないのですが、基本的にSESで現場に入っても派遣先の社員さんから指示をもらうことは多々あるはずです。
というか、おそらく派遣元とか派遣先とか気にして仕事をしている人が少ないと言った方が適切かもしれません。結局プロジェクトに参加している以上、労働力としてカウントされているので、あるものは使えの精神で派遣元とか派遣先とか関係無しに、ガンガン指示を飛ばしてきます。
そもそも私のように1人で現場に行かされることもあるくらいですから、SES企業側も自社で指示する気が無いんですよね。
一見すると上記は問題ないように見えますが、実は指揮権が派遣先にある場合はSES契約ではなく派遣契約になるので、違反行為になるんですよね。派遣事業を行うには派遣事業の許可が必要なのですが、SES契約は許可が必要無いのです。
上記のように、個人的にSESは欠点だらけの仕組みだと思うのです。そもそも派遣と同じで派遣先の社員さんと仕事をするのですから、指揮系統は1つにすべきですよね。じゃないと現場が混乱してしまいます。
ただ現実問題として、派遣業の許可を取るのが難しいのでSESという仕組みを作って、IT業界全体の人員不足を補っているのだと思うのです。
仕組みに欠陥があるのだから個人的にSESはおすすめできません
最後にまとめになりますが、ぶっちゃけSESは欠陥だらけだと思います。
そもそも客先がSES契約についてあまり知らない人だと、派遣社員と同じような扱いを受けてしまうこともあるでしょう。ぶっちゃけSESって、IT業界の人材不足を解消するために考えれた仕組みなので、そもそも実際にSESで働く人のことって考えられて作られていないと思うのです。
運良く良い案件に恵まれればラッキーですが、変な案件とか明らかに自分のレベルに合っていない案件に当たることもあると思います。
SESで消耗するくらいなら社内開発をしている会社とかに入った方が、おそらくかなりマシだと思います。
もしあなたがSESを考えているのであれば、メリットとデメリットをちゃんと考えなければいけません。